一人旅の意味
旦那が亡くなって、もう4年になる。
早いものだ。
あの時は占いにすがり、カウセリングにすがり、でも人生を捨てた気もした。
二人で買った新築の小さなマンション。
一人になって一瞬で不要になった。
二人で生きた思い出の時間。
旦那の残したたくさんの荷物。
もう、思い出の産物、パソコンだけ残しすべて処分。
基本、人付き合いが嫌いなのに、この頃やたらと接触が多い。
特に母親の友達に会うことが多い。
まぁ、かわいそうだと思ったのだろうね。
自分の友達は病気で亡くなったり、他は付き合いがない。
親の友達は、友達じゃない。
仕事に明け暮れて、友達出来なかった。
旦那が亡くなって、一瞬でこの世の価値を失った。
しばらく誰とも口を利きたくない、人の顔も見たくない。
本当に一人になって、不必要になったこの先を
何も考えられずただ二人の思い出だけが、走馬灯のよう。

旦那のお兄さんの娘ちゃん(右・23才)と。
三回忌に北海道から来てくれた。
2022年5月 東京都
リフォーム済み
この部屋で10年過ごした
32平米

マンションは売りに出していたので、物は置けず新しい小さな賃貸マンションに、お兄さん夫婦を招待した。
そこには遺骨を含み、仮仏壇を立てた。
お兄さんは、兄弟なだけに旦那と同じで無口で顔の変化もない。
お兄さんの奥さんは、
「結婚するって北海道に来た時、本当にうれしそうな顔で言ってたのよー。
あんなうれしそうな顔、見たことなかった。
ずーっと、いつも暗くて、何も話さない人だったから」
そうなんだ。
知らなかった。
あの人は、そんな暗い顔だったんだ。
じゃ、私と出会えて、よかったんだね。
意味、あったんだね。
そんな言葉も彼に伝えられず、この先も生きていく。
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